第9章

 レストランでの修羅場以来、翔真は蒸発したかのように連絡を絶った。

 電話をかけても、呼び出し音が鳴り続けるだけで誰も出ない。

 私から逃げ回っているのだ。

 数日後、オフィスで書類整理をしていると、受付から内線が入った。

「早瀬部長、遠藤様という女性がお見えです。その……」

 心臓が跳ねた。

「通して」

 数分後、ドアが乱暴に開かれた。遠藤葉月がよろめきながら入ってくる。

 目は赤く腫れ上がり、髪は乱れていた。私を見るなり突進してきて、デスクに両手をつく。

「早瀬紗英!」彼女の声は枯れていた。「あんたが翔真を隠したんでしょ? 私に会わせないようにしてるんでしょ!」

 私...

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