第13章

葉夜視点

 今夜の月が綺麗すぎるせいだろうか。目の前の妃那を見ていると、いつも以上に、やけに生き生きとして見える。

 今なんて、顔を険しくして俺を睨みつけながら、「ショベルカーでこの家ぶっ壊せ」と脅してきているっていうのに、だ。

 こいつはいつだって、ちょっとズレた発想と行動をする。

 けれど――そんな彼女に、どうしようもなく惹きつけられているのも事実だった。

 視線を、彼女の顔からどうしても外せない。じっとその瞳を覗き込みながら、ふっと笑う。

「ベイビー、俺さ、違法なことはしない主義なんだよね」

 もちろん、真っ赤な嘘だ。

 冗談じゃない。俺は立派な黒社会の人間だ。違法行為...

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