第14章

妃那視点:

「何て言ったの?」

目の前の男を思わず見返す。「うちに付いてくる? 却下!」

冗談じゃない。あたしとこいつ、赤の他人だし。しかも超絶扱いづらいタイプ。下手したら、イラついてメス一発で始末しかねない。

なのに男は、あたしの言葉なんか最初から聞いてないみたいに、目を閉じて――そのまま、眠り込んだように見えた。

「は?」

眉をひそめて、そっと肩を押す。

反応なし。

こんな一瞬で寝落ちするわけないでしょ。

絶対、寝たふりだ。

「葉夜! 聞こえてるでしょ? さっさと降りなさい!」

こみ上げる苛立ちを押し殺して声を荒げる。「じゃないと、本気で容赦しないわよ!」

このク...

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