第25章

妃那視点:

手術刀についた血を拭い取る。

さっきまでここにこびりついていたのは、あの豚野郎――光史の血だ。

念入りに、丁寧に、一本一本。

少しでも血が残っていたらと思うとぞっとする。あいつの身体にたっぷり乗っていた、あの豚脂まで一緒に――。

考えただけで吐き気がする。

ようやく刃をピカピカに磨き上げたところで、タイミングを見計らったように携帯が鳴った。

画面には葉夜の名前。

通話ボタンを押した途端、開口一番、情けないほどの泣き声じみた愚痴が飛び込んできた。

「ベイビー、俺めちゃくちゃ傷付いた。お前、他の男の裸なんか見やがって。俺の裸はまだ一度も見てねえのにな? 俺さ、腹筋も...

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