第50章

妃那視点:

葉夜は金彦を見据え、落ち着いた声で言った。

「ひとつ勘違いしてるな。俺が彼女を大事にして、守ってきたのは、お前に勝ちたかったからじゃない。お前と張り合うつもりなんて、最初からないよ。俺が全部やってきたのは、俺が彼女を愛してるからだ。守りたいからだ。彼女に幸せでいてほしいからだ

 妃那は誰かの所有物じゃない。誰が勝ったから誰のもの、なんてルールは存在しない。今のお前の言葉は、その根本を馬鹿にしてる。彼女はひとりの人間だ。自分で選ぶ自由がある。もし本当に彼女を愛してるなら、何より優先すべきなのは、彼女の笑顔と幸せだろ」

「でも、お前はそうしてない」

静かに言い切られて、金彦...

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