第70章

妃那視点:

葉夜が興味深そうに、すっと片眉を上げた。

「前からずっと見てみたいと思ってたんだ。今、俺のために踊ってくれる?」

「前はそんな気、これっぽっちもなかったんだけどね……」

私は笑って彼にウインクする。「今なら、いいよ」

葉夜は、まるで紳士のように恭しく一礼し、片手を胸に当てた。

「光栄だな」

私はつま先立ちになって、彼の唇に軽く口づけると、くるりと背を向け、そのまま背後のステージへと歩いていった。

舞台に上がるのは、本当に久しぶりだった。

足を壊して踊れなくなってから、私はここに近づくのが怖くなった。

舞台という言葉そのものからも、ずっと目をそらしてきた。

舞...

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