第79章

妃那視点:

萬里ってこのババア、本当に力が強い。腕、引きちぎられるかと思った。

階段のほうへと腕をつかんで引きずられ、私はまったく歯が立たないまま、ずるずると下へ連れて行かれる。

椅子に無理やり押しつけられ、手を縛るためのロープを探し始めた。

力が一瞬だけ緩んだ――そう感じた瞬間、私は迷わず頭から体当たりした。

ぐしゃっと鈍い手応え。萬里はよろめいて私を放し、私はすぐさま階段へ駆け出す――はずだった。

けれど、ぐい、と髪をつかまれる。頭皮が裂けるみたいな激痛に、思わず息が止まった。

視界の端に、テーブルの上の急須が映る。

私は反射的にそれをつかみ、振り向きざま、渾身の力で萬里...

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