第82章

葉夜視点:

横で律樹が鼻で笑った。

「今さら命乞いかよ? 最初から自分の一族のことを考えてりゃ、あいつらだって今ごろあんな目に遭わずに済んだのにな」

萬里の顔から血の気が引いていく。

「……あんたたち、父と母に何をしたの?」

俺は冷ややかに笑い、律樹に手をひらひらと振って合図を送った。

律樹はスタンロッドを収めて俺に一礼すると、部屋の隅に歩いていき、壁のスイッチを押す。

中央の大型スクリーンがぱっと明るくなった。

映し出されたのは、床に倒れ込み、血まみれになってのたうち回る老人の姿だった。掠れた声で命乞いを繰り返している。

「父さん!」

萬里が悲鳴のような叫びを上げる。次...

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