第91章

金彦視点:

数メートル先に妃那の姿を見つけた瞬間、胸がきゅっと縮みあがった。思わず、握っていた花束に力がこもる。

告白するのは、これが初めてじゃない。けれど、こんなにも心臓が暴れてどうしようもないのは、今日が初めてだった。

なのに――妃那の顔に、あからさまな苛立ちが浮かんだのを見た途端、胸の奥がじわりと冷えていく。

やっぱり、まだ怒っているんだ。

それは分かってる。妃那が僕を許していないことなんて、とっくに知ってる。

でも、構わない。今日は本気でやり直したくてここに来た。きっといつか、この気持ちを分かってもらえる日が来る。そう信じている。

大きく息を吸い込み、無理やり笑みを作っ...

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