第96章

妃那視点:

『妃那に対して、どう「遠慮なし」にするつもりなんだ? 俺を殺す気か?』

『今すぐ殺してみろよ! 妃那、お前に俺を殺せるもんか!』

『俺だって分からない……でも妃那、俺はお前をこんなにも愛してる。絶対に傷つけたりしない! あの爆発のことだって、本当に何も知らないんだ!』

金彦は、悲痛と絶望をたたえた瞳でこちらを見つめていた。

だが、直後――轟音とともに炎が噴き上がり、彼の姿は紅蓮の渦に呑み込まれる。

「っ……!」

私は弾かれたように目を見開いた。

目の前の真紅は消え失せ、視界にはただ、濃い闇が広がっている。

あたりは驚くほど静まり返っていた。

背中に張りついた汗...

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