第97章

妃那視点:

「妃那! お前、いい加減にしろ!」

一郎が怒鳴り声を上げた。

「俺たちはお前の親なんだぞ! その親を警備員に放り出させるなんて、不孝もいいところだ! 葉夜の嫁が親不孝者だって、世間に知れ渡ってもいいのか! 葉夜が陰で何を言われるか、怖くないのか!」

「俺は怖くない」

低く響く声が割り込んだ。

葉夜が私の前に歩み出て、そのまま腕で抱き寄せるように庇い、冷ややかに命じる。

「ボディガード。こいつら全員、外に叩き出せ 二度と中に入れるな」

二人は葉夜の姿を認めた途端、露骨に顔色を変えた。

さっきまで威勢のよかった一郎の気迫も、見る間にしぼんでいく。

私は鼻で笑い、葉...

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