第10章

周防礼美は深く息をつき、「あんたを疑いたくないだけよ。でも――信じさせるだけのものを見せなさい。結婚して3年、腹は何ひとつ変わらない。長川家の金を引き出して、あんたの貧乏な親戚に回してる以外、何をしてきたの?」と言い放った。

続けて、冷えた声が刺さる。

「輝夫と別々に寝て、どこに『動き』が出るっていうの。あの子はあんたの夫でしょう。賢くて、従順な妻ってものを学びなさい」

「本当にちゃんとしてたなら、輝夫があんたを嫌うわけないでしょ」

周防礼美は、もともと宮原知子のことをそれなりに気に入っていた。けれど子どもができないこと、そして神父に吹き込まれた言葉が積み重なり、いつの間にか不満と嫌...

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