第12章

病室は、医療機器の規則正しい電子音だけが刻々と響いていた。

宮原知子が目を覚ますと、窓の外はもう白みかけている。

岸江立人がベッド脇で見守っていて、彼女がまぶたを開いたのを見るなり、気遣うようにぬるめの水を差し出した。

「気分はどうですか?」

宮原知子は答えなかった。反射的に、そっと自分の平らな下腹に手を当てる。

そこには、いま確かに小さな命が宿っている。

自分の子どもだ。

医師の言葉が、何度も何度も頭の中で反響する。

『妊娠しています。四週に入ったところです』

この子の訪れは、彼女の胸を恐怖で満たした。こんな時期に――いま、このタイミングで赤ちゃんが来るなんて、あまりにも...

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