第166章

500万の手付金。しかも予算は上限なし――それは彼女にとって、抗いがたい誘惑だった。

うまくまとめられれば、この案件のデザインで賞も狙える。スタジオの知名度だって、もう一段押し上げられるはずだ。

『お引き受けします』宮原知子は言った。『ただ、まず現地を見せてください。地形と周辺環境を把握しないと、たたき台の案も出せません』

『もちろんです』大田剛人が食い気味に返す。『いま、ちょうど現場におります。いつお越しになれます? こちらでお迎えを――』

『迎えはいりません。自分で行きます』宮原知子はきっぱり言った。『住所だけ送ってください』

『承知しました。すぐお送りします。現場でお待ちして...

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