第192章

 彼女は冷蔵庫を開けた。中には食パン、卵、ハム、レタス。

 宮原知子はその食材を眺め、目の奥にきらりと小狡い光を走らせる。

 食パンを二枚取り出し、棚をあさって小さな瓶を引っ張り出した。小米辣――前に買った激辛の唐辛子だ。ひと口味見しただけで、二度と手を出せなくなった代物。

 宮原知子はそれを細かく刻み、パンにこれでもかというほど分厚く塗りつける。レタス、ハム、目玉焼きを重ね、最後にもう一枚のパンでふた。

 ――愛情たっぷり、の激辛サンドの完成。

 長川輝夫がキッチンに入ってきたとき、ちょうど宮原知子が皿にサンドイッチを置くところだった。

『できた?』

 長川輝夫は近づき、サン...

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