第45章

岸江家。

岸江の祖父が書斎の上座に腰を据え、顔色を重く沈めていた。

目の前に立つ岸江立人は、手首に巻かれた包帯をまだ外していない。

「よそ者ひとりのために、海外の伝手まで動かして、長川家と真っ向からやり合うとはな。岸江立人――おまえもずいぶん『自分の考え』を持つようになったじゃないか」

祖父の怒声が、部屋の空気を震わせた。

「祖父さん。知子はよそ者じゃない。俺の後輩で、友人だ」

「友人?」祖父は鼻で笑う。「呆れた。長川家がH市でどれほど根を張っているか、おまえが知らないわけがないだろう。そんな真似をして、岸江をどこに置くつもりだ」

「いじめられている友人を助けただけです。道にも...

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