第51章

宮原知子は胸の奥がきゅっと縮むのを感じた。――疑われている。そう確信しながらも、表情は崩さない。

彼女は指先で目尻を軽く押さえ、何でもないふうに言った。

「長川さん、誤解です。コンタクトを長くつけていたせいで、ちょっと目がゴロゴロするだけで」

長川輝夫の視線が、しばらく彼女の顔に留まった。目元がうっすら赤い。

目の前の女には、言葉にできない既視感がある。なのに、その顔立ちは確かに『知らない女』のものだった。

「宮原さん、海外から帰ってきたばかりですか」

彼がそう訊ねる。

「ええ。今日、着いたばかりです」

宮原知子の視線が、どうしても長川直志のほうへ引き寄せられる。あの子は模型...

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