第62章

長川の母は眉をひそめた。

「知らない相手を、家にまで連れてきたの?」

長川輝夫は淡々と答える。

「たまたま手を貸しただけだ」

長川の父は片手をひらりと振った。

「まあ、その話はひとまずいい。直志、おまえ、あのお姉さんにもう一度会いたいか?」

長川直志は力いっぱい頷いた。

「会いたい!」

長川の父は笑みを浮かべる。

「じゃあ、おじいちゃんがあの子の電話番号を探してやろう。食事に誘ってみるか?」

長川直志の目がぱっと輝いた。

「ほんと?」

「ああ、本当だ」

長川の父が頷くと、直志は嬉しさのあまりその場でぴょんと跳ねた。

「ありがとう、おじいちゃん!」

長川輝夫は父を...

ログインして続きを読む