第7章
蓮は直接答えず、代わりに駐車場の隅に停めてある黒いバイクへと歩いていった。その流線型で野性的なフォルムは。バイクに乗ったことなんて一度もない私は、それを見ているだけで興奮と恐怖が入り混じった気持ちになった。
「俺だけの場所だ」彼は振り返って私を見つめる。その瞳は深く、ミステリアスな色を帯びていた。「嫌なこと、全部忘れさせてやれる場所……」
彼だけの場所? 心臓がまた速く鳴り始めた。彼の聖域に、私を招き入れてくれるっていうの?
「どうしよう……」私は彼が差し出すヘルメットを見て躊躇った。「誰かに見られたら……私……お母さんが心配するから」
蓮はすっと手を引っ込め、その表情が瞬...
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チャプター
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2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
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9. 第9章
10. 第10章
11. 第11章
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