第9章
卒業パーティーの前夜、その展望台は、今も私たち二人だけの秘密の場所だった。
夜空に散りばめられたダイヤモンドのように、星々がきらめいている。私は蓮の隣に座り、甘い期待に胸を膨らませていた。この一ヶ月、彼が見せてくれた庇うような仕草、意味深な視線、曖昧な言葉のすべてが、私に確信させていた――私が彼を愛しているように、彼も私を愛してくれている、と。
「絵里奈、話があるんだ」蓮がこちらを向く。その真剣な表情に、私の心臓が跳ね上がった。
私は緊張して唇を噛んだ。「……なに?」
月明かりが彼の横顔を照らし、その深い瞳が、今まで見たこともないほど真摯な光を宿して私を見つめていた。
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