第127章

神原文清の冷ややかな横顔からは、感情の揺らぎなど微塵も読み取れない。

「あれは自業自得だ。当然の報いだよ。今回の件にお前たちは関係ない。後で俺から出田の爺さんに説明しておく」

「そんなこと可能なのか? 俺たちは一緒に出てきたんだぞ。出田の爺さんの気性は知ってるだろ。全員で謝罪に行くか、行かないにしても、あの人の性格なら何が起きたか徹底的に調べるはずだ」

中村修は唇を引き結んだ。彼はそれを恐れているわけではない。ただ、申し開きが難しいことを危惧しているのだ。

何しろ、ここ最近の出田竜也の状態は周知の事実だ。生きる屍と何ら変わりなかった。少し前には出田家を引っ掻き回して安寧を奪ったばかり...

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