第129章

具体的な三人の間に何があったのかは当事者しか知らない。だが、今日の出来事だけを見れば、悪いのは間違いなく出田竜也だ。とはいえ、神原文清の手加減のなさも異常だった。

一撃で肋骨をへし折るなど、普通の人間には到底真似できない。彼らも普段からジムに通い、体は鍛えている方だが、それでも一蹴りで人の骨を断つことなど不可能な芸当だ。

道中、菅田清は他の車に乗っている友人たちに連絡を入れ、市街地に入ったらそのまま解散して帰宅するよう指示した。一方、彼らの乗る車は市街地に入ると、そのまま救急車の後を追って病院へと向かった。

十数分後、車は前後して病院の入り口に滑り込んだ。車を降りる前から、渕上純は窓越...

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