第133章

神原文清は唇を固く引き結び、沈痛な面持ちでいた。その全身には疲労の色が濃く滲んでおり、小林海の言葉が警鐘のように胸に響いていたのだろう。

確かに、自分と出田竜也に何の違いがあるというのか。渕上純が変わり果ててしまったことに対し、自分にも消し去ることのできない責任が間違いなくある。

彼女がパニック発作を起こすなど、夢にも思わなかったのだ。

菅田清が歩み寄り、二人をなだめるように口を開いた。

「二人とも、そう思い詰めるな。まずは医者の判断を待とう。パニック発作といえば心理的な問題が主だが、これほどの症状を伴うとなると相当根が深いのかもしれない。俺も、渕上さんにそんな心の問題があるとは見抜...

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