第260章

純は驚きを隠せなかった。神原のおばあ様がこれほど気が利くとは、まさか動物性の生クリームのことまでご存じだなんて。

だがすぐに、純は自分の浅はかさを恥じた。おばあ様は名門の出身だ。お年を召しているとはいえ、その見識の広さは自分など足元にも及ばないに違いない。

「ありがとうございます、おばあ様」

純は手近なケーキを一つ取っておばあ様の前に置き、続けて自分の分としてチョコレートケーキを手に取った。

考えてみれば、甘いものは久しぶりだ。これほど美しい見た目のスイーツを前にしては、一口食べずにはいられない。

傍らで、文清が口元に皮肉めいた笑みを浮かべた。

「自分とおばあ様の分だけ確保して、...

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