第271章

神原文清は眉一つ動かさず、氷のような声音で言い放つ。

「俺たちのことに、渕上純は一切関係ない。責任を純に押し付けるのはやめろ。彼女を口説いたのも、結婚を申し込んだのも、すべて俺だ。弱みを握られただのなんだの……面白いことを言うな。他人をそこまで邪推できるとは、お前の精神状態も知れたものだな」

「さっさと帰って、頭を冷やすなり治療を受けるなりすればいい。今夜は俺たちの新婚初夜だ、邪魔をしないでくれ。……今日のことは俺の落ち度だ。パスワードを変え忘れていた俺が悪い。だが、次は二度と入れないと思え」

神原文清の表情からは喜怒哀楽が完全に抜け落ちており、その声は凍てつくように冷徹だった。

風...

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