第12章

高瀬悠真は朝イチで発狂していた。病室を替えてくれと喚くだけならまだしも、泣きながら「幽霊に食われた!」と言い張るのだ。

だが本人はどう見てもピンピンしている。腕は腕、脚は脚。昨夜よりむしろ顔色も良く、病み上がりらしく少し力が抜けている程度で、どこがどう「食われた」んだという話だった。

それでも悠真はやたらと真に迫っていて、しかも理屈までつけてくる。

「本当なんだって! 俺、耳で聞いたんだよ! 昨日の夜、何匹も幽霊がベッドの周りに集まって、俺を食ってた!」

真由美はまた目元をぬぐい、泰弘は眉を吊り上げて青筋を立てる。今すぐこの馬鹿息子を殴り飛ばしてやりたい、という顔だ。

医師はにこや...

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