第125章

前川浩平はスマホをきつく握りしめ、画面から目を離さなかった。誰かが――外の誰かが――電話をかけてきてくれるのを、ただ待つ。

バッテリーはもう風前の灯火だ。ここへ来た直後、彼は必死に外へ発信し続けた。繋がらないうえに電池だけが削られていく。以来、むやみに触るのが怖くなり、外からの着信だけを待つことにした。

表示は赤。残り10%。

今となっては、一本の電話を自分からかける勇気すらない。

それだけじゃない。山荘の異様さに気づいてから、彼はろくに口にしていなかった。胃がきゅうっと縮み、酸っぱいものがこみ上げてきそうな空腹。

――そういえば、さっき神崎様から電話が来た。

ただ、電波が弱かっ...

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