第137章

漆黒の山中を、だいたい三十分ほどふわふわと漂ったころ。遠くのほうから灯りと人の声が届いた。

 全員がぱっと顔を上げ、腕をぶんぶん振って叫ぶ。

「こっちだ! こっちにいるぞ!」

 声を聞きつけ、四方から駆けつけてきた除霊師たちも「いた!」と色めき立ち、音を頼りに近づいてくる。

 本来なら、傷だらけで虫の息の仲間と、松波幸延や前川浩平たちが見えるはずだった。

 ――ところが。

 見えたのは、幽霊奴が担ぐ四枚の戸板。そして、その戸板の上に人が乗っているという、理解不能な光景だった。

 先頭にいるのは、陰気さが肌に刺さるほどの長髪の女。

 彼女は戸板の上で胡坐をかき、長い髪を冷たい風...

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