第14章

高瀬悠真は子どもの頃から、自分は頭の回転が速くて才覚に恵まれていると信じてきた。だからこそ、ここ最近の出来事を何度も何度も、順番を入れ替えながら噛み砕いて考えた結果――これはご先祖様が守ってくれたとか、厄を肩代わりしてくれたとか、そういう都合のいい話じゃないとすぐにわかった。

むしろ、あの翡翠が異常だったのだ。どういう理屈かは知らないが、中に「自分を喰う気の幽霊」が棲みついていた。

そして、黒髪ロングも――悠真が最初に疑ったような、命を狙う悪霊なんかじゃなかった。

逆だ。助けてくれたのは、あいつのほうだった。

翡翠から飛び出した黒い影が言っていたのを、悠真はうっすら覚えている。

黒...

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