第162章

  数分後、彼らはやや広い石室へと通された。壁には松明が突き立てられ、ゆらゆらと揺れる黄ばんだ火が、室内の造りをいやというほど照らし出している。どう見ても客を迎えるための広間だ。正面と左右にいくつも石の卓と椅子が並び、それぞれの卓の背後には石彫りの侍女が立っていた。

  その侍女像がまた、妙に生々しい。口元には引きつった笑み。視線を向けると、まるでこちらを見返してくるようで、背中がぞわりと粟立つ。

  案内してきた女が言った。

  「お好きなところへ。奥様はすぐいらっしゃいます」

  ――好きなところへ、だと?

  四柳竜介も、高永美博も、そんな気軽に腰を下ろせるはずがない。ここは...

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