第23章

  静まり返った山中。懐中電灯の光がみるみる弱まり、電池が尽きかけているのがわかる。灰色に沈んだ山道を照らすその頼りない灯りに、胸の奥までじわじわと暗くなっていった。

  さっき盛大な勘違いをやらかして以来、二はほとんど口を開かなくなった。疑心暗鬼そのものの顔で首をすくめ、四とデブの背中にぴたりと張りつく。目つきだけはやけに鋭く、周囲を睨みつけるように警戒していた。

  強がっているつもりなのだろう。歯を食いしばった表情は一見、落ち着いて見える。だが拳を握り締めた手の甲には青筋が浮き、かすかに震えている。それが恐怖を隠しきれていなかった。

  さっき、あの女の顔を真正面から見た瞬間は、...

ログインして続きを読む