第27章

桐生大地は公人だ。誘拐されたという報道はトレンドから一度も落ちず、全国が固唾をのんで見守っている。警察は総力を挙げて捜索に乗り出し、ファンまでが街へ飛び出して人探しと聞き込みを始めた。懸賞金は千万単位。主要な交通の要所には検問が敷かれ、当然、郊外にも相当数の警戒が回されている。

長田秀明は、その郊外担当に回された末端の警官だった。

郊外へ車を走らせてしばらく。時刻はすでに午前四時を回っている。夜の冷え込みもきつく、道には人影がほとんどない。車もまばらだ。長田は居眠りしかけている同僚を横目に言った。

「こんな寒い夜に、犯人が桐生大地を連れ回すわけないだろ。どっかに潜ってるはずだ」

同僚...

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