第29章

神崎飛鳥は跳ね女の背にぺたりと張りつき、はぁ……とため息をついた。二百元くらい稼げると思って、生活をちょっとでも楽にできるはずだったのに。ふたを開ければまた空振り。下手をすれば法的に追及されるおそれまである。

 逃げ足が速くて助かった。あそこでぐずぐずしていたら、言い訳のしようがなかっただろう。

 もっとも、彼女は人情も良心も持ち合わせていない。逃げるべきときは、迷いなく逃げる。

 一晩じゅう無駄に走り回ったせいで、疲れと眠気がいっぺんに押し寄せた。ふぁ、と欠伸が漏れる。少しだけ寝よう。夜が明けたら仕事だ。寝不足で行ったら、さすがに身がもたない。

 跳ね女はゆらり、ゆらりと漂い、竹ぼ...

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