第31章

  最近、遊園地のお化け屋敷が口コミ目当ての客で押しつぶされそうになっていた。大半は本田優の配信を見て「どれどれ」とやって来た連中で、そこからまた十人が百人へと広がっていく。噂は噂を呼び、「あそこはガチらしい」と評判だけがひとり歩きした。伝説どおりのヤバさなのか、確かめたい人間が後を絶たない。

  客が増えれば、特部の上の人間が笑いをこらえきれないのも当然だ。お化け屋敷の集客が跳ね上がったおかげで、遊園地全体の来園者数まで底上げされた。上司の前で珍しく褒められ、胸を張って歩ける日々。

  それで彼は、神崎飛鳥の試用期間をすっ飛ばし、正式採用にして引き留める気になった。こんな使える人材、そ...

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