第40章

二は死んだ。生前、誘拐して身代金を脅し取り、そのうえ人まで殺したせいで、二の家は村中から指さされ、肩身の狭い思いをしていた。

遺体が警察に運ばれて戻ってきても、日取りを選ぶことすらしない。適当に棺桶を一つ買って詰め込み、あとは穴が掘れ次第そのまま埋めるだけ――それまで棺桶は隣の部屋に置きっぱなしだ。こんな凍てつく寒さなら、腐りもしないだろう、というわけで。

妙なことが起き始めたのは、二の遺体が家に戻ったその日からだった。

毎朝起きるたび、父親は目を疑う。棺桶の蓋がいつの間にか開いていて、棺そのものが横倒しになり、二の死体まで一緒に転げ出ているのだ。すでに硬直して縮こまった身体が、床にう...

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