第46章

神崎飛鳥はお化け屋敷の入口まで追いつくと、扉を「ドンドンドン」と叩いた。外はしんと静まり返り、物音ひとつしない。優秀なお化け役スタッフとしての矜持からか、彼女は険しい顔で足を止める。

(やっぱり先輩たちの言ってたこと、正しかった……外をぶらぶらすると、ほんとにロクなことにならない)

初めてちょっと外に出ただけなのに、いちばん大事な入れ歯を引っこ抜かれた。あんなにニコッと笑わなきゃよかった……。

箒に体重を預けながら、飛鳥はしょんぼりと考える。入れ歯、今ごろ無事だろうか。あとで上に相談して、あの貴客に返してもらえないか聞いてみよう。あれだって安くない。なくしたら心が折れる。

横では赤い...

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