第56章

高瀬悠真は棺を見たことがある。祖父の葬儀のときだ。老人は目を閉じ、穏やかな顔で、冷たい棺の中に横たわっていた。もう二度と、笑って「悠真」と呼んではくれない。最期までずっと手を握ってくれていて、安らかに逝ったのだと、周りは言った。

彼は何日も泣いた。頭の中が追いつかなくて、遊ぶのが好きだった祖父が、どうして死んでしまったのか理解できなかった。あれが、死に初めて向き合った瞬間だった。死がどれほど恐ろしいものかを、初めて知った。受け入れられない時期もあった。人はいつか必ず死ぬ。早いか遅いかの違いで、いずれ誰もが棺に入る。

まさか――自分が、こんなに早く棺に入ることになるなんて…………

高瀬悠...

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