第58章

神崎飛鳥はというと、いまもなお廃ビルで「配給作業」の真っ最中だった。例の“おやつ”をきっちり三等分にして、跳ね女に一つ、竹ぼうき婆に一つ、そして自分に一つ。

 ……もっとも、彼女は今、ロウソクを食べられない。だから自分の分まで丸ごと二人に渡した。

「子どもって太っ腹だねえ。これなら、再来年まで持つよ」

 そのぶん自分の出費も浮いた、と飛鳥は内心で計算する。

 ロウソクをかじっていた跳ね女と竹ぼうき婆が、ぴたりと固まった。二人そろって首だけを回し、黒髪ロングを見た。

 ……恨みがましい視線。

 だが黒髪ロングは気づきもしない。二人の分をさっさと燃やして送り、自分の分は棺桶の中へ隠す...

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