第67章

高瀬拓真は、これといって特別な贈り物を用意していなかった。そもそも彼は女の子を喜ばせるのが得意なタイプでもないし、何を贈ればいいのかもわからない。下手なものを渡して占い師に失礼になったら、それこそ目も当てられない。

 それに、安倍晴明が個人依頼を受けるとなれば一回で数十万、安くても数万は取る――そんな話も聞いていた。

 だから高瀬拓真は、数十万を用意した。

 神崎飛鳥も安倍晴明も除霊師だ。金を渡して間違うことはない。少なくとも、いちばん確実なはず。

 ……そしてそれは、驚くほど神崎飛鳥のツボに刺さった。

 分厚い封筒が何通も重なっている。見慣れたその封筒を目にした瞬間、彼女の機嫌は...

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