第82章

神崎飛鳥に会いに来たのは、安倍晴明だけじゃなかった。なんと機長まで車椅子で駆けつけ、神崎様の姿を見た瞬間、感極まって何度も何度も頭を下げた。目には涙がにじみ、声は震え――そのまま興奮しすぎたのか、足をばたつかせた拍子にぷつんと意識が飛んだ。

 慌てて担架が呼ばれ、機長はそのまま病院へ運ばれていった。

 航空会社の会長もまた、感謝で顔をくしゃくしゃにしながら言った。

「本当に、本当に……あなたには感謝してもしきれません、神崎様。これは、弊社から――生存者全員を救ってくださったことへの謝礼です。心から、ありがとうございます」

 差し出された小切手を受け取り、神崎飛鳥は目を落とした。

 ...

ログインして続きを読む