第88章

 本田優は島の住人を一人雇い、織田晋たちが姿を消した場所へ案内させた。失踪時の最初の現場――手がかりが一番残っている可能性が高い。

  案内役は五十歳前後の、骨ばった痩せ男だった。口数は少なく、聞けば答える程度。しかも答えはどれも曖昧で、本田優は結局、役に立つ情報をひとつも引き出せなかった。

  人形島は、まさに人形島だった。

  道中、木々の枝という枝に人形がぶら下がっている。中には頭が欠けたものまであって、ゆらゆらと揺れながらこちらを見下ろしてくる。見ているだけで胸の奥がざわつく。

  本田優は知っている。この島には、本当に人形の幽霊がいる。

  だから余計に、心臓が落ち着かな...

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