第99章

 本田優は山道を登り続け、もう死にそうなくらいへとへとだった。道なんてものはどこにもなく、草は胸の高さまで伸び放題。一歩踏み出すたびに脚を取られ、息が詰まる。おまけに木々にはあの人形がいくつもぶら下がっていて、視線を向けられている気がしてならない。背筋がぞわぞわして、たまらなく気味が悪かった。

 とくに二度、別の人形たちに襲われたあと――神崎様もさすがに疲れたのか、歩くのをやめた。人形を身体に縛りつけたまま、ふわりと宙へ浮き上がり、そのまま漂うように先へ行ってしまったのだ。

 置いていかれた本田優は、魂が抜けそうになった。

 しかも神崎様は妙に親切で、迷わないようにと本田優に人形を一体...

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