第106章

私の知っている六条修介は、どれほど危険な状況でも、抵抗する力のない相手に手を出すような男じゃない。

私は顔を上げ、憎悪で歪んだ千野征士の顔を射抜くように睨みつけた。

「……そんなの、嘘よ」

「証拠は揃ってる。まだ言い逃れする気か?」

千野征士は怒りで全身を震わせ、杖で床を「ドン、ドン」と叩く。

「これはな、逃げ出した給仕から大金で買ったんだ! 動かぬ証拠だ!」

私は勢いよく飛びついた。ボディーガードに止められようが構わない。床に膝をつき、転がったタブレットを掴み取る。

三十秒にも満たない映像を、何度も何度も再生した。

あの顔が突き刺してくる痛みは無理やり押し殺し、意識を画面の...

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