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私の反問が気に入ったのか、彼は唇の端を愉しげに吊り上げるだけで、それ以上は何も言わなかった。

車は夜の街を滑るように走り、やがて厳重に警備された私有地の奥――ひっそりと佇む大邸宅へと吸い込まれていく。

アスター邸よりも、さらに秘匿性が高い。高い鉄門の向こうには監視カメラが幾重にも並び、警備員が無言で巡回していた。空気そのものが、よそ者を拒む刃みたいに冷たい。

降車する直前、六条修介が私にベルベットの箱を差し出した。

「着けろ」

命令口調。

蓋を開けると、細かなダイヤが連なったネックレスだった。中央には雫形のサファイアが揺れ、薄暗い車内灯の下でも、魂を引きずり込むような深い青を放っ...

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