19

弱いこと――それが、罪。

私は彼を睨みつけた。あの氷みたいな青い瞳の奥に、揺らぎでも、ためらいでも、ほんの一瞬の慈悲でもいいから見つけたくて。

けれど六条修介は、ただ静かに見返してくるだけだった。古井戸みたいに底の見えない眼差し。檻の中の少女の運命など、取るに足りない見世物にすぎないと言わんばかりに。

ブルックリンでリンゴを剥いていた少年と、目の前で人身売買を黙認する暴君が、同じ人間だなんて――。

矛盾ですらなかった。彼は、人間の柔らかい部分をすべて死人にだけ残して、生きている者には最上の残酷だけを与える。そういう男だった。

もう、耐えられない。

胃の奥がぐらりと波打ち、吐き気が...

ログインして続きを読む