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狂ってしまった人間に、言葉なんて通じない。なにを言っても無駄だ。

「松崎莉緒。私が脅してるだけだと思ってるの?」

村上朱里が椅子を蹴るように立ち上がり、数歩で私の前へ回り込んだ。逃がさない、と言わんばかりに進路を塞ぐ。瞳の奥で燃えているのは、相討ちも辞さない狂気――玉砕の炎。

「六条修介の世界を、あんたがどれだけ分かってるっていうの? まさか、本気で『好きだからそばに置いてる』なんて思ってる? 甘いんだよ!」

彼女はくたびれたバッグの中から、ぐしゃぐしゃに皺の寄った書類の束を乱暴に引っ掴み、私の胸元へ叩きつけた。

ばさっ、と紙が弾け、床へ散る。

みっともなく舞うそれは、羽を折られ...

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