30

その二文字は、頭から氷水をぶちまけられたみたいに私を叩きつけ、意識を一瞬で現実へ引き戻した。

顔から血の気がさっと引く。

いちばん恐れていたことが、結局起きた。落合家は私を探っているだけじゃない。――私のいちばん無垢なところにまで、手を伸ばしてきた。

「玉子、いまどこ? 怖がらなくていい、すぐ行くから!」

スマホを握り締める指に力が入る。焦りで声がわずかに震えた。

玉子は住所を告げた。

私はすぐ通話を切る。

「送る」

黙って私の通話を聞き終えていた六条修介が、私より先に手を掴み、そのまま外へ引いた。

私と六条修介が玉子の部屋に駆けつけると、彼女はソファに小さく丸まり、膝を抱...

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