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あの男の白々しい面構えは、見ているだけで吐き気がした。

それでも私は、資料に並ぶ目を疑うような数字と、長い痛みに蝕まれて顔立ちまで変わってしまった住民たちの写真から目を逸らせなかった。

胸の奥――いちばん深いところに残っていた「弁護士としての意地」が、確かに引きずり起こされる。

私が弁護士になった理由って、結局これじゃないの?

法律で、声を上げられない人たちに、せめて一つの筋を通すため。

勝ち目がないと分かっていても。

「分かりました。この件、受けます」

小野ディレクターの表情がぱっと明るくなる。

「ありがとうございます、松崎弁護士!」

私は分厚い資料箱を抱えて自分のオフィ...

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