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玉子も異変に気づいたらしい。スマホを取り出し、ネットで例の「退職労働者へのインタビュー記事」を探そうとした瞬間、みるみる顔色が曇っていった。

「莉緒、これ……」

差し出された画面を覗き込み、私は息をのむ。

キングスレー・ケミカルの違法排水に関するネガティブ記事が、ほとんど一夜にして跡形もなく消えていた。代わりに目に入ってくるのは、うんざりするほどの「浄化」されたニュースの洪水。

私はそのうちの一つを開いた。

写真には、満面の笑みの住民代表たちが、キングスレーの幹部から巨大な小切手を受け取っている姿が映っている。

――その住民代表の中に、昨日、留置場で私を罵倒してきた原告の一人がい...

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