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第二十七章 - サンガム

ストームが身をこわばらせるのを感じた瞬間、ルーカスから怒りに満ちた唸り声が轟いた。続いてアンジェロが咆哮を上げ、カミーユも低い唸り声を漏らす。前方を見ると、大木が一本、水面に押し倒されており、ボートを沼地に閉じ込めようとしていた。十数匹もの「はぐれ狼」たちが姿を現す。

「あの馬鹿ども、私たちのつがいが自然を意のままに操れるってことを知らないようね」ストームが鼻で笑った。

私も自分の「エレメント」を使って戦いたかったが、どうすれば最大限に活かせるのか、よく分かっていなかった。私の運の悪さなら、うっかりボートを転覆させてしまいかねない。もっと訓練に時間を割くべきだっ...

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